遊びながら備える。いつものキャンプ道具で始める防災対策
2025年の年の瀬に登場した「タテテント」、「ベンザウラまもるくん」、「シャワワワー」。 相変わらずのゆるネーミングですが、こちらの3製品はキャンプなどの外遊びはもちろん、「もしものときにも使える、備える」をテーマとしており、すべて防災士資格を有するDODスタッフが企画監修を手がけました。
タテテント
https://www.dod.camp/product/t1_216/
着替え、シャワー、トイレなどの際にプライバシー空間を確保できる縦長型のポップアップテント。 フロアシートや小物ポケット、透けにくいブラックコーティング生地など、普段も、もしものときにも使いやすい工夫を詰め込んでいます。
ベンザウラまもるくん
https://www.dod.camp/product/pt1_217/
トイレが遠い場所でのキャンプや、停電や断水等のもしもの際にも頼りになるコンテナ型の簡易トイレ。 独自開発の便座枠により、便座裏が汚れにくい構造です。
シャワワワー
https://www.dod.camp/product/sw1_200/
海水浴やテントサウナ後にすっきり身体を流せ、停電や断水等のもしもの際にも頼りになる充電式のポータブルシャワー。 外部バッテリーやコード不要で、水に沈めて電源を付けるだけで簡単にシャワーが使えます。 DOD製品に限らず、キャンプ用品には他にも「もしものときにも使える、備える」ものが満載。 代表的なアイテムを防災視点で捉えてみましたので、キャンプ道具を新しく購入する際や防災セットの準備時に参考になれば嬉しいです。
もしものときに頼もしいキャンプ道具
自立式の小型テント
ワンタッチテント(T2-629)、フカヅメカンガルーテント等
ペグ打ち不要で自立する小型テントは、避難所でのプライバシーの確保や、停電状態の家の中での防寒対策として有用です。 ただし、避難所で使用する場合は施設のルールや運営者の指示に従い、スペースが限られる場合は着替えや授乳のときのみの使用など周囲への配慮を忘れずに。 また、床からの冷気はテントだけでは防げないため、マットや段ボールの併用を推奨します。
寝袋
ウサクッションシュラフ、ゆったりマミーシュラフ等
毛布が不足しがちな避難所での就寝や、エンジンを切る必要がある車中泊避難での防寒具として寝袋が活用できます。 ただし、寒さが厳しい冬場は「快適使用温度」の数値を過信しないことが重要。 これ一枚で耐えようとせず、アウターを着込んだまま入ったり、手持ちの毛布やカイロを中に入れたりして保温力を補う「重ね使い」で確実に暖を確保しましょう。
Pick up ジャケシュラ
上部分単体では防寒ジャケット、脚部分のパーツをファスナーで繋げれば寝袋として使える2WAYウェア。 寝袋として単体利用するのに十分な綿量を入れていますが、ジャケシュラを着てから封筒型やマミー型寝袋に入ることでさらに暖かく眠ることが可能。 夜のトイレや余震により急な移動が必要な際にも、寒暖差による身体への負担を抑えながら対応できます。
マット・コット
シャダンダン、バッグインベッド等
硬く冷たい床での睡眠は避難生活において身体への大きな負担となります。 体痛やエコノミークラス症候群のリスクを減らすためにも、コンパクトなマットやコット(簡易ベッド)は非常に有効です。 特にコットは体を地面から離せるため、底冷えや床付近のホコリを回避できます。 ただし体育館などの避難所で使用する場合、金属製の脚が床を傷つける恐れがあります。 脚の下に不要な布や新聞紙を挟んで床を保護したり、混雑時はスペースを取らないマットのみに切り替えたりするなど状況に応じた柔軟な使い分けと配慮が大切です。
ライト・ランタン
オシリピッカリーノ3世、ミニキノコライト等
停電の夜、明かりがあるだけで心の不安は大きく和らぎます。 火を使わない電池式やUSB充電式のLEDランタンは、余震が続く屋内やテント内でも安全に使うことが可能。 ただし長期保管による「液漏れ」や「放電」には注意が必要です。 予備電池を多めに用意したり、ポータブル電源とセットで保管するなど電源の確保をお忘れなく。
Pick up① こっそりライト(ヘッドライト)
空間を照らすランタンに対し、ヘッドライトは行動するための明かり。 完全に両手を空けられるので、荷物を持ちながらの避難移動はもちろん、子供と手を繋いだり、暗闇での調理やトイレなど、生活作業を行う際に役立ちます。 ただし強い光が対面する人の目に入ると眩しいため、避難所など人が多い場所では配慮が必要。 そこでおすすめなのが「首にかけて使う」スタイル。 相手の顔を照らさずに手元や足元を確保できて地面の凹凸も見やすくなるため、状況に応じて使い分けましょう。
Pick up② LEDソーラーポップアップランタン(ソーラー充電式)
防災の観点から非常に優秀な太陽光で発電できるソーラー搭載モデル。 電池の備蓄が尽きたり、停電が長引いてバッテリーも空になった場合にも、太陽さえあれば自力で明かりを生み出せるため、電池残量を気にせずに安心して使えます。
ウォータータンク
ジミニータンク等
断水時、給水車からの運搬や生活用水の貯蔵にウォータータンクは欠かせません。 特に蛇口付きのモデルは流水量の調整がしやすいため、貴重な水を節約しながら使うことができます。 ただし、長期間水を入れっぱなしにするのは雑菌繁殖の原因となるためNG。 使用後は内部を完全に乾燥させ、いつでも清潔な水を受け入れられるようメンテナンスしておくことが大切です。
ワゴン
ペリーワゴン、タタメルンダーZ等
給水所からの重い水や支援物資を運ぶ際、キャリーワゴンなどのワゴンを使えば身体の負担を軽減できます。 特にタイヤが太いモデルは、多少の段差や砂利道でも安定して運べるのが強みです。 ただし発災直後の道路は地割れや瓦礫、ガラス片などで寸断されている可能性があります。 無理に進むと破損や立ち往生の危険があるため、路面状況が悪い場合は使用を控えてリュックでの運搬に切り替えるなど状況を見極めることが重要です。
保冷剤・クーラーボックス
フツーノアイス、ソフトくらお(23)等
普段から冷凍庫の隙間に詰めておくことで、停電時に庫内の温度上昇を防ぐ「予備の冷却源」として機能します。 冷気は上から下へ流れる性質があるため、保冷剤は冷蔵室の最上段に配置すれば庫内全体を効率よく冷やすことが可能。 さらに、保冷剤と食材をクーラーボックスにまとめて移し替えれば、冷蔵庫よりも狭く断熱性の高い空間で食材を冷やしながら移動もできます。
調理器具
シングルバーナー、アシュラノゴトク、ウサシェラ等
電気やガスの供給が停まった際にも使えるシングルバーナーや固形燃料ストーブのほか、キャンプの定番アイテム、シェラカップも有用。 直火加熱ができるため、沸かす・食べる・飲むがこれ一つで完結し、洗い物を最小限に抑えて貴重な水を節約しながら食事ができます。 ただし一酸化炭素中毒を防ぐため、換気の悪い室内やテント内での使用は厳禁です。
Pickup ソトメシンガーRX
超コンパクトに収納できるゴトク内蔵型ミニテーブル。 シングルバーナーをまたぐように設置すれば不安定になりがちな大きな鍋もドッシリ安定して置けるため、家族分の炊き出しも安全に行えます。 足場の悪い被災環境でも水平な調理・食事スペースを確保できることで、少しでも快適に調理や食事が可能。料理の転倒や火傷リスクの軽減にも繋がります。
遊びながら備えよう
キャンパーなら一通り揃っている方も多いアイテムたちだったかなと思います。 ただし持っているだけで安心せず、屋外での使用に慣れたり、いざという時に持ち出せるよう整理しておくことがとっても大切。 普段のキャンプで楽しみながらチェックしておきたいですね。