【開発裏話】直火型という新ジャンルを切り開いた焚き火台「ヒコタン」

【開発裏話】直火型という新ジャンルを切り開いた焚き火台「ヒコタン」

先日発売となった新作焚き火台「ヒコタン」

https://www.dod.camp/product/q2_013_bk/

愛らしい名前は、車高を極端に下げた車、通称シャコタンに由来。
火床を限界まで下げることで直火のようなスタイルが楽しめる、“直火型“という新ジャンルを切り開いた焚き火台です。
ただし“直火型“といわれてもいまいちピンときませんよね…?
ということで企画者のTAQ庵さんにこの焚き火台の魅力や開発裏話を聞いてきました。

企画担当に聞いてみた

なぜ作ったの?

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トッキ
トッキ

ヒコタン、かなり唯一無二感の強い焚き火台ですよね。作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

TAQ庵
TAQ庵

直火っぽい焚き火がしたくてかな。
二次燃焼の炎が綺麗に見られるものや調理に特化したものなど、最近は本当にいろんな焚き火台があるけど、俺の中の焚き火は直火が1番。直火を超えるものはないんだよね。

トッキ
トッキ

さすがTAQ庵さんな潔さ!そんな直火の魅力って何なのでしょう?

TAQ庵
TAQ庵

俺的に「あー、キャンプしてるなぁ。焚き火してるなぁ。」ってのをガツンと実感できるのが直火。
直火の炎を扱うのは燃焼構造の整った焚き火台のように一筋縄にはいかず、薪をくべるのにも知識や工夫が必要。
でもその分、自分自身で炎を育てるって感覚が強くて面白いし、上手く炎を育てられたときの達成感がクセになる。

トッキ
トッキ

私は直火は未経験なのですが、テント設営で同じ感覚を感じているかもです。
全然上手く張れずに嫌気が差すときもあるけど、ピンとシワなく張れたときの達成感が気持ち良くて、嬉しくて、クセになっちゃいます。

TAQ庵
TAQ庵

そうそう。キャンプって“不便を楽しむ”みたいなところがあって、俺はそれが醍醐味だと感じてるんだけど、直火はまさにそれなんだよね。

TAQ庵
TAQ庵

あと、地べたに座って焚き火と向き合うってのもエモくない?
お尻で大地を感じられるというか、お尻から自然との一体感を感じられるというか…。

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トッキ
トッキ

私も割とどこでも地べたに座っちゃいがちないわゆる“ジベタリアン”。
地べた座りが落ち着く感覚はよく分かるのですが、“お尻で大地を感じる”は名言ですね。

TAQ庵
TAQ庵

名言だなんて、自分で言いながらちょっと恥ずかしくなるわ(笑)

TAQ庵
TAQ庵

そんな直火の魅力をより気軽に楽しめるようにしたくて、火床高の低さにより直火のようなスタイルが叶う焚き火台を作ったって次第かな。

直火初心者さんも大歓迎!

トッキ
トッキ

「直火の魅力をより気軽に」というのは直火ができる場所やキャンプ場が減ってきているからってことですか?

TAQ庵
TAQ庵

そうやね。ここ数年でほんと減ってしまって、直火のハードルがぐんと高まってしまったなぁと。

トッキ
トッキ

場所探しもそうなのですが、直火って何となく難しそうなイメージや本格感があって挑戦できていないってのもあります。
直火型“のヒコタンはその辺り、どうでしょう?

TAQ庵
TAQ庵

本当の直火よりは圧倒的にハードルは低いと思うよ。
直火OKのキャンプ場を探す必要がないのはもちろん、炎の扱いも直火より気楽。
わずかながら高さがあるのと底面がメッシュなのとでしっかり通気する構造なので、火付けも直火ほど難しくないからね。
めちゃもえファイヤー 」みたいに結構ざっくりと薪を放り込んでも着火できる、みたいなのではないけどね。

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トッキ
トッキ

あくまで直火のように工夫して薪をくべないといけないのが“直火型“の面白さですね!

TAQ庵
TAQ庵

あとは片付けが圧倒的にラク。
直火の場合、しっかり燃えきった炭や灰をかき集めて捨て、落ち葉や砂で地面を慣らしたりなどして「来たときよりも美しく」を守らないとだけど、ヒコタンは溜まった灰をメッシュシートごと持ち上げてザザーっと捨てたら片付け完了。
これは焚き火台だからこその手軽さやね。

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トッキ
トッキ

昨今のマナー問題もあり直火は特に注意して片付けないと、という中でこのお手軽さはありがたい!
まさに私がそうなのですが、直火に憧れや興味はありつつ、場所や何となく難しそうのハードルで今まで諦めていた方にもぴったりです!

TAQ庵
TAQ庵

うんうん、そんな直火初心者さんも大歓迎!
ヒコタンで直火の魅力に触れてもらって、機会があれば是非リアルな直火にもチャレンジしてもらいたいなぁ。

こんなに低くて大丈夫?

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トッキ
トッキ

SNSのコメントなどでちょくちょくとお声をいただく「こんなに低くて大丈夫なの?」
ヒコタンの火床までの高さはわずか6.5cm。そりゃ心配になりますよね。

TAQ庵
TAQ庵

皆さん焚き火や環境への理解が深いんやなぁ。
直火は焚き火の熱が直接地面に伝わる分どうしても自然環境へのダメージが避けられないからね。

TAQ庵
TAQ庵

でもこのヒコタンは心配無用。
環境に優しい直火スタイルを実現すべく、いかに地面と火床を近づけつついかに地面を守るかでとことん格闘したからね。
まずはこちらの動画をご覧ください。

トッキ
トッキ

最も温度が高くなる熱源の真下で22度!
このときの外気温とほとんど変わりませんね。すごい!!

TAQ庵
TAQ庵

そう、2枚の遮熱板が熱をしっかり反射してくれるおかげで地面への熱ダメージを防いでくれるんよ。
頑丈な鉄の1枚板の遮熱板にしたり、格子状のメッシュにしたり…とひたすら試行錯誤を重ねる中でこの反射構造を見つけ、ここまで仕上げました。

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トッキ
トッキ

たしかに暑い日も寒い日も、焚き火の下を覗き込みながら低~い姿勢で検証してはりましたもんね。

TAQ庵
TAQ庵

今回の動画では22度だけど、検証した中で一番焚き火の炎の勢いが強かったときでも火床下の温度は40度くらい。

トッキ
トッキ

お風呂と同じくらいの温度なので地面への熱ダメージも大丈夫そうですね。

TAQ庵
TAQ庵

そうそう。ただしそれ以上に大きな炎や風の状況によっては地面にダメージを与える可能性もあるってことはご注意いただきたいかな。
焚き火のスタイル的にボウボウ立ち上がるような炎になることはなかなかないと思うけどね。

トッキ
トッキ

あと「タキビバビデブー 」のような耐火シートの併用も必須ですよね。

TAQ庵
TAQ庵

遮熱板で熱ダメージないから大丈夫、ではなくてこちらは耐火用やね。
風防などの囲いがない分どうしても火の粉や燃えカスがこぼれ落ちやすい構造だから、それらからの延焼を防ぐために耐火シートは併用してもらいたいです。

直火ライクでありながら断然気軽な“直火型”

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ワイルドな雰囲気や、自然や炎の恩恵をダイレクトに感じられ、“不便を楽しむ”キャンプをガツンと実感できる直火。
そんな直火の魅力は残しつつ、よりハードル低く、気楽に直火気分が味わえる“直火型“焚き火台「ヒコタン」は、直火を愛するあなたにも、直火に挑戦してみたいあなたにも、重宝する存在となるのではないでしょうか。
ワイルドなスタイルが楽しめる焚き火台ではありますが「ひこにゃん」のノリで「ヒコタン」と可愛がってもらえると嬉しいです。