キャンプで便利なもやい結びは「ヘビさん」で覚えよう。しつこいくらいに徹底解説!【動画付き】

キャンプで便利なもやい結びは「ヘビさん」で覚えよう。しつこいくらいに徹底解説!【動画付き】

時々テントのストームロープってどうやってつけるの、とお問い合わせを受けることがあります。
それを受けてDODの一部のテントでは付属のマニュアルで「もやい結び」を紹介するように順次変更している途中です。
でもマニュアルを作っているなかで、紙面だけではもしかしたらわかりにくかもしれないな、できればただ結び方を紹介するだけでなくロープワークも楽しむきっかけになってもらえたらいいな、そんな気持ちが沸いてきました。
そこで今回はどこよりも丁寧に、画像や動画などいろんな方法でもやい結びを徹底解説。
みなさんがロープワークに今よりもちょっと興味を持って、より一層キャンプを楽しんでもらえたらいいな、そんな気持ちをこめて解説します。

もやい結びってどんな結び?

もやい結びって聞いたことあるけどどんな結び?
キャンプで本当に必要?
そんな疑問にお答えします。

もやい結びは力がかかっても大きさの変わらない輪をつくることのできる結び方です。船を港に係留するのによく使われます。
簡単に結ぶことができ、強い力がかかった後でも簡単に解きやすく、正しい使い方をすれば非常に丈夫な結び方です。汎用性が高く、船舶を扱う人は目をつぶっていてもできるといわれるほど重宝されています。

通常のオートキャンプではテントに最初からストームロープが結び付けられていたり、長さの調整できる自在金具を付属していたりとロープワークを知らなくても問題なくキャンプを終えることは多々あります。
でもロープワークを知っているとふとしたところ役に立ったり、いざという時に差がでたり、足りないものを工夫して補ったりといった新しいキャンプの楽しみを発見できるかもしれません。
ロープワークは場面によって適した結び方がありますが、まずひとつ何か覚えてみたいと思ったときにおすすめなのが汎用性が高いもやい結びです。

こんな時にもやい結び!

テントの張り綱

テントのストームロープ(張り綱)をテント本体に結ぶ時にもやい結びを使うと便利です。
使用中は風が吹いてもほどけにくく、使用後はロープが濡れてしまっても簡単に解くことができます。

タープのロープ

タープにロープを結ぶ時ももやい結びがおすすめです。
簡単に結べて強いです。

もやい結びの結び方を徹底解説!

動画で解説

まずは動画で結び方の流れを見てみましょう。

通常スピード

ゆっくりスピード

手があって見えにくい?ロープだけだとこんな感じです。

慣れてきたらスピーディーに結べるようになりますよ。

画像で解説

続いて上の動画の動きを1つずつ画像でご説明。

1.ロープの根本に輪をつくる。

輪を作るときのロープの上下関係に注意してください。

2.ロープの端を下から輪に入れる。

作った輪にロープの端を通します。
作った輪は固定したまま動かさないほうが分かりやすいです。

3.ロープの端をロープのもと(長いほう)を中心にまわす。

輪からでてきたロープの端を動かします。
ロープのもと(長いほう)のまわりをぐるっと一周。ここでも左手に持った輪は固定したままにしてください。

4.ロープの端を輪に上から入れる。

ロープの端がでてきた同じ輪にロープの端をくぐらせます。

5.ロープの長い方(もと)を引きしめる

ロープの長い方(もと)をギュッと引けば結び目が縮みます。

6.完成

形を整えて完成です。

もやい結びの覚え方

ボーイスカウトで子供たちにもやい結びを説明する時、こんな風に説明したりします。
僕もちいさいころこれで覚えました。慣れてくれば手が覚えて無意識にできるようになりますよ。

1.まずロープで池をつくります。

2.池から蛇が出てきました。にょきっ。

3.出てきた蛇は池のそばにある木の周りをぐるっと回って、また池に帰っていきました。ばいばーい。

4.ギュッとしめたらもやい結びの完成!

応用編 片手で人体もやい

片手で自分の体にもやい結びでロープを結ぶこともできます。
みんなで誰が一番早くもやい結びできるか、という競争すると意外に盛り上がりますよ。
「溺れた時にロープを投げられたらこうやって自分にロープを結んで救助してもらうんやで」と習いましたがそれから20年、幸いにも早結び競争にしか使ったことはありません。

早く結べるようになったら競争したくなってきますよ。

すこしゆっくりしたスピードでご紹介。

※ロープを体に直接結ぶ行為は強い力がかかった時に身体へダメージが大きいため通常行われることはありません。
またリング負荷という特定の力のかかり方をした時に簡単にほどけて事故につながることから現在登山ではもやい結びを行うことはほとんどないそうです。人命救助の際には別の結びを使用したり、専用のロープを使用したり、ここでは紹介されていない末端処理を行ったりする必要があります。
この記事はあくまでオートキャンプでの使用を想定したロープワーク紹介記事であり、人体もやいについてはあくまで簡易な紹介にとどめている旨ご理解ください。

ロープワークを覚えてキャンプを楽しく。

ロープワークは実際にやってみるとよく身に付きます。
もやい結びを覚えてぜひテントやタープの固定に使ってみてくださいね。自分で応用できる場面を探すのも楽しいですよ。