
DODとTERAの新章がはじまります。
突然ですが、この3月よりDODのブランドマネージャーが変わります。 初代TERAから2代目のDODおにぃへと引き継がれます。 え、TERAさんは?何か揉め事でもあったの? ざわざわしますよね。ご心配をおかけしてしまいごめんなさい。 でもTERAさん、おにぃとの談笑を読めば安心していただけるんじゃないかなと思います。
TERAの新章開幕


TERAさん、今月末でDOD、そして会社からも離れられるんですよね。寂しいです。 単刀直入に一体なぜなのでしょうか。

そうだねぇ、“クレイジー探しの旅に出る”って感じかな。

ク、クレイジー探しの旅ですか…?

うん。来月発売の新製品に少し真面目なバッグがあるよね。 あれの名前を「こっそりクレイジー」にするつもりだったんだけど、DODチーム内で「それはもはやクレイジーでもないでしょ」と大反対をくらって泣く泣く改名したんだよね。 俺としては「こっそりクレイジー」がめっちゃ気に入ってたから改名に納得できなくて。 だからDODを離れてクレイジー探しの旅に出ようかなと。

て、TERAさんらしくて楽しいのですが、お客さんにも伝わるような真面目な回答ももらえますか?

トッキも随分たくましくなったなぁ。 俺にとってDODは子供みたいな存在なんだけど、ブランドを受け持った未熟だった頃と比べて立派な大人になれたんじゃないかなと。 もちろんDODはまだまだ成長するし俺がやれることもあるだろうけど、一旦はやり切った感があるんだよね。

子離れみたいなもんですかね。 DODはまだ17才なので(ブランド設立17年)少し早い気もしますが。

やり切ったな、と感じたきっかけなどはあったのでしょうか?

実は結構前で、2020年に第1弾のブランドブックを出したとき。 DODを最初は1人で受け持ち、そこからしばらくも2~3人の超少人数体制だったんだけど、 その頃って全く知名度がなくて。 たとえば友達に「俺DODで働いてるんだ」と話しても「なにそれ?」。 決して自慢できることではなかったんだよね。 そんなときに自分はもちろん、チームメンバーも自分が働くDODを自慢できるブランドになりたいなという想いを抱いてずっとやってきたんだけど、 ブランドブックを出せるブランドって結構すごいこと、自慢できることじゃない? チームのみんなも何だか誇らしげに働いている気がして、ここだな、大きくなったんだなと感じたんだ。

ただ、その後にコロナ禍が来てバタバタしてしまい離れるに離れられずで。 その間にもDODは大きくなり続け、コロナ禍も収まったしそろそろいいかな、というのが今。

なるほどなるほど。 たしかにブランドブックが書店に並んでいるのを見たときや街で使ってくれている方を見たときは何だかそわそわしちゃう嬉しさがありましたね。
DODでできたこと / できなかったこと


“DODでやり切った”という中で、特にこれができたな、これを残せたな、みたいなことはありますか?

うーん、1番はやっぱりおにぃが立派に育ったことじゃないかな。

え、僕ですか(笑)

たしか新卒入社の面接も担当したし、その後の内定者相談会みたいなとこでも話したよね。

そうですね。内定はもらっていたけどまだ入社を決め切れていなくてTERAさんに相談させてもらいました。 そのときに“今はまだ誰も知らない小さいブランドだけどみんなが知っているブランド、働いていて友達に自慢できるブランドにすることが夢”という話を聞いてかっこいいなぁと思い、この人と一緒に働きたい、この人と一緒にDODを大きくしたい、と入社を決めたんだ。

素敵なエピソードですね。

まぁ1番がおにぃの成長ってのは冗談なんだけど、そもそも1番は特になくて、この“やり切った感”は今までの積み重ねだと思ってる。 売れた商品やバズった商品。みんなで協力してイベントに出たりテレビや雑誌に取り上げられるようになったり。 おにぃやトッキを含めいろんなバックグラウンド、性格、特技を持ったチームメンバーがどんどん仲間に加わってくれたのももちろん超重要な要素。

ありがとうございます。 では逆にDODで働いた中でやり切れなかった心残りみたいなものはありますか?

それはもちろん「こっそりクレイジー」を残せなかったことだね。

結構根に持ってるんですね(笑)

え、他にもありますよね?

心残りねぇ…本当にないんだよね。 何かありそうかな?

いや~、ないんじゃないですかね。 TERAさんって本当に天才で、そのときどきの自分のやりたいことやブランドにとって良いことをどんどん実現してきたと思うんだよね。 だから今回もブランドマネージャーという立場に変に執着したり、過度に責任を感じてもやもやしながら思いとどまるようなことをしないのは非常にTERAさんらしいかっこいい生き方だなぁと。

たしかに。 そんなTERAさんの生き方が、他のブランドにはないDODの親しみやすさや柔軟さ、そしてスピード感に通じていますもんね。
DODでの思い出

ところでTERAさんはDOD歴何年になるのでしょう?

えーと、14年くらいかな。 全く別の業界からの転職で入社して、最初の1年くらいはDOPPELGANGER(ドッペルギャンガー)で自転車を企画したりBauhutte(バウヒュッテ)で家具を企画したり。 2年目からDODの前身となるDOPPELGANGER OUTDOOR(ドッペルギャンガーアウトドア)に配属されて、そこから今までの14年間ずっとアウトドア商品の企画をしてる。 配属といっても最初は1人だったから商品の企画開発はもちろん、検品も、取説やWEBデータの作成も全部自分でやってたね。

じゃあ最初はブランドマネージャーという概念もなしにブランドの本当に全てを受け持っていたんですね。すごい守備範囲です。

14年でいろんな商品を企画してきたかと思うのですが、1番思い入れの強いものは何ですか?

「クレイジーエックス」かなぁ。

出た、「クレイジーエックス」。 とっくに販売終了しているにも関わらず未だWEBページに載せ続けているほどのTERAさんのお気に入りですもんね。


「クレイジーエックス」は市場調査やマーケティングとか全部無視して、とにかく自分たちが面白いなと思うものを自分たちのエゴだけで作り上げたテント。 作っていてめちゃくちゃワクワクしたし、実際その面白さがウケてバズって、日本だけでなく海外のメディアにまで取り上げてもらえたりしたんだよね。 全然売れはしなかったけど、自分たちが本当に面白いと思うものを突き詰めればみんなにも面白いと感じてもらえるんだなぁと。 そしてこんな変なものを作っている会社があるんだ、というニュースで世の中を少し明るくできたんじゃないかなというのも嬉しかったかな。

なんと海外までバズっていたんですね。 改めて見ても相当クレイジーな商品ですが、これこそ社内で反対の声はなかったのでしょうか?

なかったんじゃないかなぁ。何がなんでも出す、という想いで進めていたから聞こえなかっただけかもだけど。だよね?

そうですね。 「クレイジーエックス」は見た目もそうだけど、みんなで中に入るとめちゃくちゃワクワクするんだよね。 あのワクワクは唯一無二。だから作るのが本当に楽しくて楽しくて。

でもDODチームはともかく、よく会社もOKしてくれたよね。実際全然売れなかったし。 俺が社長だったら絶対通さないなぁ。有り難い限り。

この「クレイジーエックス」の後に初代「カマボコテント」を発売。 カマボコは逆に実用性がウケて、リニューアルを重ねながらたくさんの人に使ってもらえるDODの代名詞的テントとなったよね。 今思えば「クレイジーエックス」と「カマボコテント」を出したこの頃が、DODテントが世の中に広まりはじめたターニングポイントだったのかな。

そのタイミングに私はまだ入社できていなかったのが残念です。 では、商品とはまた別で14年間での1番印象的なエピソードは何でしょうか?

楽しかったことも大変だったことも本当いろいろあったからなぁ。 おにぃとだったらあれかな、アメリカ出張のときの雨キャンプ。 アメリカの広大な土地でキャンプしてみたくて「カマボコテントソロUL」を持って行ったんだけど、あいにくの大雨で何もやることがなくて。 仕方ないから2人でテントの寝室にこもってiPadで『海街diary』を見たんだよね。 どの子が可愛い?とか盛り上がって結構楽しかったよね。

ソロテントの寝室でおじさん2人がiPadで映画鑑賞ってなかなか面白い画ですね。そして楽しそう。


大変だったエピソードだとどんなことがありますか?

イベントは悪天候に遭うことが多くて大変だった印象かな。 特にイベントに出たての頃はスタッフの人数も少なかったしね。


当初はブランドや商品を知ってもらうために必死でしたよね。 実店舗を持たないゆえにイベントは唯一のオフラインでの接点を作るチャンスだ、とみんな気合い満々で「DODですー!」と宣伝しながら会場を歩き回ったり、 今のようなECや販促ツールがないからキャリーワゴンに商品を乗せて1つ1つ手売りで販売したりね。

懐かしいなぁ。 全部現金でのやり取りだったから、毎回その管理を任されるのがすっごいドキドキだったよ。
2代目ブラマネ、おにぃへのメッセージ


改めまして、来月から新しくブランドマネージャーに就任するおにぃへ伝えたいことやエールの言葉はありますか?

別にないかな。

え。こういうことをしてほしいとか逆にしないでほしいとかないんですか?

うん、ないね。 俺が離れることで例えば出す商品のラインナップが変わったり、もしかしたらブランドのコンセプトやロゴが変わるかもしれないけどそれはそれでいいと思う。 キャンプギアにこだわらずラーメン屋さんとかやってみるのも面白いかもしれないよ。

まぁそれも2代目が決めること。おにぃ含めてみんなにも自由に楽しくやってほしいかな。 14年間1番近くで一緒にものづくりをやってきたおにぃだし、そのセンスは信用しているつもり。 しいて言うなら10年後もまだブランドには存続していてほしいかなぁ。

それは私たちも全力で守ります!
DODの新章開幕


TERAさんからのメッセージに対して、おにぃからのお返事などありますか?

そうですね… TERAさんには入社前からお世話になり、TERAさんに憧れて入社し、当たり前のように毎日一緒に働いてきたから、 今回TERAさんがDODを離れることに対して1番寂しい自信があるし、寂しくて何も話せなくなるというのが正直なところ。 でも、ここからのDODをもっと面白くして、TERAさんにもさすがDODだなと思ってもらえるブランドに成長していきたい気持ちは強く持っています。 ずっとそばでTERAさんと一緒に仕事をしてきた身として、 DODの基本スタンスは変えないけど、新章に突入するような生まれ変わるつもりでブランド運営に取り組んでいきますね。
TERAから皆さまへ


では最後に、いつもDODを応援くださる皆さんへのメッセージをいただけますでしょうか。

DODのブランドが好きと言ってくださる皆さんは、「Stay Crazy」というブランドコンセプト、DODのクレイジーさに共感できる、同じような遊び心を持った気の合う方たちなのかなぁと思います。 そういう方たちが今DODの周りにたくさんいるのはめちゃくちゃ嬉しいし、全く知名度がなかった頃から考えると信じられないですね。 そして変な形のテントや変な名前の焚き火台など、ちょっと変わった提案をしてもそれを好きと言って使ってもらえるのは、こんな自分でもいいんだなという自信にもなりました。 だからとにかく本当に有難い限りです。皆さんありがとうございます。

今回DODを離れることにはなるのですが、DODは僕にとって子供のようなもの。 なので引き続きよろしくお願いします。 そんな感じかな。

ありがとうございました。改めて寂しくなっちゃいます…

ちなみに個人的に気になっていたのですが、次のお仕事は決まってるんですか? あ、言えなかったら全然大丈夫です。

もちろんクレイジー探しの旅だよ(笑) まあ、とりあえずは家族とキャンプしたり実家に帰ったり、のんびりするね。 あ、来週はAKIたちとサウナに行く。 どこか遠くに行くわけではないから何かあったら連絡してね。


おじさんサウナ部は引き続き活動するんですね。 あ、じゃあまた4月には歓迎会などもあるでしょうしそれもお声かけますね!

いや、それはさすがに気まずいでしょ。