
実はアウトドアにぴったり。 DODの放浪シリーズ担当者が語るホーローの魅力。
2020年春発売の放浪ソロリマグから始まり、放浪コロリマグ、放浪フタリパン、放浪フタリザラ、放浪ヒトリガマ…と、続々登場するDODの放浪シリーズ。 ホーロー素材で作られていることにかけて「放浪」なのですが、担当者曰く、このホーローというのがアウトドアとの相性が良すぎるために開発が楽しくて仕方ないのだとか。 なぜそんなにホーローのトリコになっているのか、放浪シリーズ担当のなでさんとやしきさんに聞いてきました。
担当者に聞いてみた
なぜホーロー?

ツジ:DODではしばらくキッチン系の小物を出していませんでしたが、そこに登場したのが放浪ソロリマグでしたね。 そもそもなぜこのマグを作ろうと思ったのでしょうか。 なで:キャンプで便利に使えるコップが欲しくて作ったのが放浪ソロリマグ。 実は過去にイベントでの限定品としてウサ木マグやウサマグを販売してたんよ。 ウサ木マグは天然木でできたウッドマグで、ウサマグはアメリカのファイヤーキングで使われていたミルクガラスを日本で再現したガラスのマグね。 オレも家で毎日使ってたりしてどちらもすっごくお気に入りなんやけど、キャンプで使いやすいかというと疑問が残るところがあって…. で、キャンプ×マグというところで色々な素材を研究しているなかで発見したのがホーロー。 見つけた瞬間ビビビっときたね。 ツジ:ホーローの何にビビビっときたのでしょうか? なで:鉄とガラスの良いところを併せもってるってのが最高やね。 鉄の丈夫さや熱への強さを持ちつつ、摩耗や酸によるダメージに強いというガラスの性質も備えてるの。 大切にすれば半永久的に使えるくらいの耐久性なので、エジプトのファラオの装飾品にも使われている素材なんだとか。 ツジ:ホーローってそんなに丈夫なんですか、びっくり。 マグってキャンプ中も身近なアイテムですし、お気に入りを長く使ってもらいたいですもんね。 やしき:そうそう。あとお手入れのしやすさや扱いやすさも魅力ですね。 汚れやにおいが付きにくくて、キャンプ飯でありがちなチーズのこびりつきなんかも簡単に落とせる。 ツジ:これだけしっかりした素材でありながら、たとえばソロリマグは220g、フタリパンは1.1kgという軽さも調理や持ち出しにあたって嬉しいポイントですね。 でもホーローの食器というと、ずっしり重いイメージです。 なで:お、良いところを突くね。 実はホーロー製品は、主に鋼板ホーローと鋳物ホーローの2種類があります。 ツジが言っているのは鋳物ホーローの方やね。 鉄を型に流し込んで成形したものにホーロー加工をするタイプ。 厚みがあり、調理時には熱をゆっくり伝えるので保温性に優れています。 ただ、その分ずっしり重いのでキャンプに持ち出すには大変。 一方、放浪シリーズに採用しているのは鋼板ホーロー。 こっちは鉄を型でプレスして成形したものにホーロー加工をするタイプ。 鋳物よりも薄いために熱伝導が良く、比較的軽くて価格も安いのが特徴。 アウトドア用なら俄然こっちでしょ。 ツジ:なるほど。でもそれだけでキャンプにぴったり、と言うにはちょっと弱くないですか? やしき:そこで登場するのが放浪シリーズをダブルネームで開発してくださっている阪和ホーローさん。
阪和ホーローさんのホーロー製品

やしき:阪和ホーローさんは、ホーロー加工の老舗メーカーです。 ovjectというブランドでホーロー製の食器や調理器具を作っているんやけど、その商品の1つである「ほうろうフックマグ」は取っ手の取り外しができるので複数個を重ねることが可能。 つまり、キャンプギアに必須の“スタッキング”ができるってことで注目しました。 なで:で、実際にコンタクトを取って阪和さんのホーロー加工について詳しく聞いてみると、これまたキャンプ利用にぴったりな要素がばんばん出てきたんよね。 DODと同じ大阪の会社ってこともあって、これまたビビビっときたね。 ツジ:やはり同じ地元というのは親しみが湧きますよね。 で、キャンプ利用にぴったりな要素とは!? なで:3つあるんやけど、1つ目はホーローのコーティング方法。 一般的なホーロー食器は、鉄型の上にホーローの釉薬をそのままコーティングして終了。 一方、阪和さんのホーロー食器は、鉄型の上にホーローの釉薬を二重でコーティング。 この二重加工のお陰で、万が一外側が割れてしまった場合にも鉄がむき出しにならないので錆びにくく、商品の色もぐっとキレイに出やすくなる。 ツジ:すっぴんのままお化粧するのか、しっかり化粧下地を塗ってからお化粧するのか、って感じですね。 なで:その通り。下地の有無で仕上がりが全然変わってくるやろ。 2つ目は加工を施す鉄板の厚み。 前述のように、ホーロー製品は成形した鉄板にホーロー加工を施したもの。 一般的なホーロー食器はこの鉄板が0.4mm厚くらいのものが多いんやけど、この厚みだと熱を加えるとすぐに歪んだりヒビが入ったりしちゃうんよね。 一方、放浪ソロリマグは厚さ0.8mm。 分厚さにより強度が上がるってのはもちろんなんやけど、何といってものポイントは、この分厚さにより直火加熱を実現できること! ツジ:え、ホーローだから直火OKなのではなく、この分厚さだからだったのですか! なで:あれ、知らんかった? ツジ:ソロリマグの発売から1年以上経っていますが、大特徴である“直火OK”が厚みのお陰なのは初めて知りました…. 何とも奥が深い製品です。 やしき:ちなみにフタリパンとヒトリガマの本体はより分厚い1mm厚。 ガシガシ調理に使えてお皿にもなるアイテムということで、蓄熱性が高まるようこの厚みで設計してもらいました。 ツジ:高い蓄熱性で食材に均一に熱を伝えられるので美味しく作れるんですよね!これはお勉強しましたよ。 では、キャンプ利用にぴったりな要素3つ目は何ですか? なで:3つ目はホーロー加工の質感。 キャンプ利用にぴったりというよりオレらの好みなんやけどね。 一般的なホーロー加工はつやつやとしたガラス感の強いものが多い印象。 一方、阪和さんの「ほうろうフックマグ」は艶消しをしたマットなホーロー加工。 これが陶器のような高級感があって、この技術がめちゃくちゃ気に入ったねんな~。

ツジ:普通の加工とマット加工のホーロー製品のサンプルを見せてもらいましたが、印象が全然違いますね。 私もマット加工の方が好きです。 やしき:実は阪和さんの商品は全部が全部このマット加工というわけではなく、フタリパンとヒトリガマも当初は通常のホーロー加工の予定でした。 でもやっぱりマットが好き!という私たちのわがままを叶えてもらい、DODの放浪シリーズは全てマット加工のホーロー製品となっています。 ツジ:DODのこだわりに応えてくださるモノづくりへの熱い思いや、素晴らしい技術にビビビっときたわけですね!納得です。
放浪シリーズの使い方

ツジ:そんなわけで続々登場している放浪シリーズ。 直火OK、耐久性が高い、デザインにもこだわっている、などなどのポイントは分かったのですが、これらの製品を扱うときに気を付けなければいけないことはありますか? なで:そうやね〜、フタリパン、ヒトリガマは、見た目からスキレットやダッチオーブンのようなイメージを持つ方も多いと思うんやけど、それらとは使い方やお手入れ方法が異なるので要注意かな。 まず、放浪シリーズはシーズニングが不要。 これは毎回の利用時はもちろん、初回使用の前も。 だから買ってすぐに使えるのも良いところ。 つまり定期的なシーズニングが必要な、いわゆる“育てる系”の調理器具ではないんよ。 ツジ:私はいわゆる“育てる系”の鉄鍋を持っているのですが、家使いでさえもお手入れが大変なので実際あまり使っていないんですよね。 育てる必要がなく手軽に使えるフッ素加工のフライパンは大活用しているのですが、フタリパンやヒトリガマもそんな感じでしょうか? やしき:いや、ホーロー加工はフッ素加工の調理器具とはまた扱いが異なります。 フッ素加工が施されたフライパンは焦げ付いたり、汚れがこびりついたりしにくい加工がされているけど、フタリパンでの調理の際には油がマスト。 特にステーキなどの水分の少ない食材を扱う際には、しっかり油を敷いておかないと焦げついちゃいますね。 ちなみにフッ素は、使うそばからどうしても加工が劣化してしまうのですが、ホーロー加工は簡単には劣化しません。 なで:劣化はしにくいけど、強くこすったりするとホーローを傷つけてしまう恐れはあるね。 万が一こびりつきや焦げつきで製品を汚してしまった際には、重曹を入れて汚れを浮かせば簡単に落とすことが可能。 ツジ:なるほどなるほど。 だから放浪シリーズは手軽に、そして長く使えてアウトドアとの相性がバツグンなんですね。 よ〜く分かってきました。 ところで食べるのが大好きなお二人。 ソロリマグやコロリマグ、フタリパン、ヒトリガマのそれぞれの特徴を活かしたオススメの料理などありますか?

やしき:私はコンビニで売っているようなレトルトのスープや豚汁をキャンプに持って行くことが多いのですが、それを温めるのにソロリマグを使っています。 小腹が空いたときに一人分をパパっと温められるのが便利です。 なで:自分で作ったわけじゃないんやけど、ユーザーさんの写真を見て、お!っとなったのがコロリマグプリン。 オーブンにも対応する放浪シリーズの性質と、コロリマグの可愛らしさを上手く活かしてるな〜と思いました。 やしき:オーブンといえばフタリパンでパンやケーキを焼いてくれているユーザーさんもいましたね。 私的にはフタリパンはアヒージョ推しだったのですが、こんな本格的なスイーツが作れるのは驚きでした。 なで:オレもフタリパンはアヒージョ推しやな。 アヒージョって見た目も映えるのでキャンプで作るとめちゃくちゃ盛り上がるけどすぐ冷めちゃうのが惜しいところ。 でもフタリパンでのアヒージョなら冷めてもすぐ温めなおせるから最後まで美味しく楽しる。 やしき:ヒトリガマは絶対米ですね! 自分で炊くご飯ってこんなに美味しいんだ〜って感じさせてくれるお釜です。 なで:間違いない、まずは白米。 アウトドアで作ったとは思えないくらい美味しい本格的なご飯に感動してほしい。 それから炊き込みご飯やリゾットなんかにも是非挑戦してほしいな。 このサイズ感とシンプルな作りだからこそ、いろいろなアレンジを気軽に楽しめるのがヒトリガマの美味しいところやしね。 ツジ:ヒトリガマでご飯、フタリパンでおかず、ソロリマグで汁物、コロリマグでデザート、と放浪シリーズでフルコースを楽しめますね!
放浪レシピ、大募集!

なでさんとやしきさんがどっぷりハマっているホーローの魅力、皆さまにも伝わりましたでしょうか? 放浪シリーズは、ただただ可愛い!便利!なアイテムではなく、非常に奥の深〜い立派なキャンプギアでしたね。 DODでは公式InstagramおよびTwitterのアカウントにて、そんな放浪シリーズで作ったお料理の写真を大募集! #放浪レシピ集 のタグを付けてご投稿ください。 次のキャンプ飯どうしよう?今日の晩ごはんどうしよう?ってときに覗きたくなるヒントやアイデアが詰まった、実用的かつ楽しいタグになれば嬉しいです。